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勤務態度不良による解雇

勤務態度の不良には、遅刻や欠勤を繰り返すなどの出勤不良、職場の輪を乱すような協調性の欠如などがあります。

icon 出勤不良による解雇
遅刻や欠勤を繰り返す出勤不良もその程度により解雇事由となります。

(1)遅刻
遅刻については、あらかじめ決められた労働時間に勤務するという労働契約上の義務に違反するものであり、職場の風紀を乱す行為となるものです。

遅刻の中には、例えば交通機関の遅延によるものなどやむを得ない理由によるものもあり、一律に問題視することはできませんが、遅刻理由に情状酌量の余地がなく繰り返される場合などは、懲戒処分の対象となるものですし、それでも改善の余地がないといった場合には、解雇の妥当性が生じてくると考えられます。

icon 遅刻、早退3回で欠勤1日とみなし、賃金から控除するという規定は有効か?
就業規則等において、上のような規定を設けている場合があります。このような規定だと、例えば、10分の遅刻を3回行った場合に、30分に相当する金額を控除するなら問題はありませんが、1日分に相当する金額を控除してしまうことは違法となります。

また制裁ということで控除する場合には、労基法第91条において、「1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10の1を超えてはならない。」と規定されていますので、これに違反しないようにしなければまりません。

(2)欠勤
①日数から見た場合
日数については、労基法第39条の有給休暇の規定が一つの目安となります。すなわち、有給休暇は、出勤率が8割を超えた場合に、インセンティブとして一定の休暇を与えることとなっていることから、欠勤があったとしても結果的に1年間の出勤率が8割を超えている場合には、解雇は行いにくいと考えられます。

ただし、無断欠勤の場合や虚偽申告などが判明した場合などは、仮に出勤率が8割を超えていても、程度により懲戒や解雇の妥当性が生じてくると考えられます。

また傷病の場合は、日数云々よりも休職論で考えます。

②理由から見た場合
欠勤の理由が本人の私傷病である場合には、治癒する可能性がなく業務に耐えられないと認められるときは解雇事由となりますが、そうでない場合は休職扱いとするなどして、一定期間様子を見る(解雇を猶予する)ことが企業には求められます。

なお、傷病の原因が業務上のものである場合には、労基法第19条の解雇制限規定が適用されます。

また、欠勤の理由が傷病以外の理由によるものである場合には、会社がそれを認めるか否かにかかっているといえます。




icon 従業員から欠勤の後に有給休暇の扱いにしてほしいという申出があった場合に、会社はこれに応じなければならないか?

有給休暇は、労働者の請求する時季に与えなければなりませんが、同時に、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季に変更してこれを与えることができるという、いわゆる時季変更権が会社には認められています。(労基法第39条第5項)

つまり、時季変更権は、有給休暇の申出が事前に行われた場合には行使できますが、事後に行われた場合には行使できませんので、事後の請求(振り替え)には応じる必要はないというのが法律の考え方です。

ただし、会社が本人の事情を察するなどして事後請求を認めてあげることは、なんら差し支えありません。

icon 無断欠勤が一定期間続いたときに、会社は本人の了承を得ずに退職扱いにできるか?
例えば、従業員が突然会社に出てこなくなり、自宅などに連絡しても応答がなく行方が知れないまま1か月が経過してしまったというようなことが起こった場合に、会社としてはどのように対応すべきなのでしょうか?

このようなケースにおいて問題となるのは、まず本人の意思が確認できないということ、また会社が就業規則等の懲戒規定を適用するなどして解雇するにしても、会社からの意思表示が本人に到達しなければ、その効力は発生しないとされていることです。

(1)公示送達による方法
裁判所の許可を得て裁判所の掲示場に会社の意思表示を掲示し、官報又は新聞紙上に少なくとも1回掲載するという方法を取ります。

(2)退職の意思表示があったものとして取り扱う方法
あらかじめ就業規則等に、従業員が行方不明となり、無断欠勤が一定期間続いた場合は、退職の意思表示があったものとして取り扱う旨の規定を置き、これにより対処する方法です。

ただし、この方法による場合は、退職の意思があると認められるような具体的な状況証拠が実際にないと適用は難しいと考えられます。

行方不明になったからといって、事務的に退職の意思表示があったものとして取り扱うことには、後々問題が発生する恐れがあります。

いずれにしても、会社としては焦って処理することをせず、事前に十分手を尽くすことが求められます。

icon 協調性の欠如による解雇
企業で働くということは、集団の中で労務に服するということであり、事業が円滑に運営されるためには、周囲との協調性が求められます。

協調性がないということは、労務提供に瑕疵(かし)があるいうことで、債務不履行ということにもなります。

ただし、解雇を考えた場合には、実際に従業員のとった行動によって、事業運営に支障がでていることが明らかであり、かつ支障の程度が軽微なものではないことなどが前提として存在しなければならないでしょう。

また直ちに本人を解雇するのではなく、注意、指導を行うことや、配転先がある場合には、配転させて改善の機会を与えることなどが求められると考えられます。




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