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資格喪失(退職)後の健康保険給付

健康保険の給付は、基本的には在職中の被保険者に対して行われるのが原則ですが、一定の要件に該当すれば、退職や解雇によって資格を喪失したあとであっても給付が受けられる場合があります。

ただし、退職後に、他の健康保険に加入することによって同一の内容の給付がなされる場合には、重複して請求することはできません。

また、資格喪失後の給付は、被保険者に対する給付だけであって、被扶養者に対する給付はありません。

1.保険給付を受けている人が資格を喪失(退職)した場合
資格を喪失する日の前日(=退職日)までに、継続して1年以上被保険者であった人の場合は、資格を喪失(退職)したときに受けていた傷病手当金や出産手当金を退職後も引き続き受けることができます。

傷病手当金とは...
被保険者が病気やケガ(私傷病)のために働くことができず、連続して3日以上休んだときに、4日目から1日について、支給開始日以前12か月間の標準報酬月額(注)の平均額を30で除した金額の3分の2が1年6か月間支給されます。

出産手当金とは...
被保険者が、出産の日以前42日目(多胎妊娠の場合は98日目)から、出産の日の翌日以後56日目までの範囲内で、休んだ期間について、傷病手当金と同様の額が支給されます。

(注)標準報酬月額とは、事業主から受ける報酬をいくつかの幅(等級)に区分した仮の報酬額をいいます。




これらの退職後の継続給付を受けるためには、継続して1年以上被保険者であったことが要件ですが、この場合の「継続して」とは、必ずしも同一の保険者でなくても差し支えなく、また資格の取得、喪失があったとしても、被保険者の資格が連続していればよいことになっています。

金額は、どちらも1日について標準報酬日額の3分の2相当額で、傷病手当金は1年6か月間、出産手当金は、出産前後合わせて原則98日の範囲内で、すでに支給を受けた残りの期間となります。

これらの給付は、在職中給与の全額が支払われていた場合などは、その間支給されませんが、退職後は給与の支給がなくなるので支給の対象となります。

ただし傷病手当金の場合は、在職中、最低連続した待機3日間が完成していることとプラス1日は傷病手当金を受けることができる状態であったことが必要です。

このように、傷病手当金は在職中に現に給付を受けていたか、又は受けうる状態にあったことが必要となりますので、退職時傷病の状態にあったとしても、会社に出社して仕事に従事していれば資格喪失後の傷病手当金を受けることはできません。

また、資格喪失後継続して傷病手当金を受けている人が、保険診療を受けていても、一旦働いて傷病手当金を受けられなくなった場合には、治癒したかどうかにかかわらず、その後更に労務不能となった場合でも傷病手当金を受けることはできません。

一方、出産手当金の方は、働くことができるか否かにかかわらず、実際に働かなかったことが要件とされますので、雇用保険の失業給付を受給中であるか否かに関係なく、他の事業所に使用されていなければ支給されます。

この働いていたかどうかの認定は、本人が定職に就いたという事実がない限り働いていないものとされ、炊事、洗濯その他家事労働に従事したとしても支給の対象となります。

なお、退職後、任意継続被保険者となった場合ですが、任意継続には傷病手当金や出産手当金の給付はありません。

icon 傷病手当金や出産手当金の支給調整について
傷病手当金と出産手当金が同時に支給されるような場合には、重複して支給されることはなく、出産手当金が優先して支給されます。

また、傷病手当金について、同一の傷病について傷害基礎年金や傷害厚生年金を受けている場合や、退職後、老齢基礎年金や老齢厚生年金などの老齢給付を受ける場合は、傷病手当金の額が調整(不支給か、差額支給)されることになっています。

2.資格を喪失した後(退職後)に保険給付を受ける事由が発生した場合
死亡に関する給付と出産に関する給付があります。

(死亡に関する給付)
①上記1に該当する人が死亡したとき
②上記1に該当する人がその支給を受けなくなってから3か月以内に死亡したとき
③被保険者が資格を喪失(退職)してから3か月以内に死亡したとき

①~③に該当したときに、埋葬料として5万円が支給されます。(死亡した被保険者に家族がいないときは、埋葬を行った人に対して5万円の範囲内で、埋葬にかかった費用が埋葬費として支給されます。)

なお、埋葬料(埋葬費)の場合には、傷病手当金や出産手当金のように、継続して1年以上被保険者であったことという要件はありません。

(出産に関する給付)
資格を喪失する日の前日(=退職日)までに、継続して1年以上被保険者であった人が、資格を喪失後、6か月以内に出産をしたときは、出産育児一時金(1児につき40万4千円、産科医療補償制度(注)に加入している医療機関での出産の場合は、42万円)を受けることができます。

なお、退職後、被保険者として出産育児一時金を受けるのか、家族の被扶養者として認定されて家族出産育児一時金を受けるのかは、請求者の選択となります。

(注)産科医療補償制度とは、出産時に何らかの理由で、出生児が重度の脳性まひになった場合に、出生児と家族のために補償が支払われる制度をいいます。この制度の適用を受けるためには、妊婦さんが出産予定の医療機関(当制度に加入済み)で加入登録をする必要があります。




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