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退職の時期と賞与の支給の有無・社会保険料控除のしくみ

退職を考えるとき、いつの時期にするのかということも重要です。

特に賞与について、査定期間には在籍していたものの、支給日より前に退職した場合に賞与が支給されるのか否かで問題となる場合があります。

これについては、就業規則等の定め方や会社の慣行等により決まってきます。

例えば就業規則等に賞与の査定期間及び支給日に在籍している者に対して支給するとなっている場合は、支給日より前に退職した者には支給されないことになりますが、支給日在籍要件がない場合には、退職者にも支給されるのではないかと考えられるところですが、明文の規定がなくても会社の慣行として成立していると認められる場合は、(不支給も)許されるとする判例がありますので、事前に確認しておくことが必要でしょう。

なお、一般的に自己都合退職の場合は、退職を考えている者が退職の時期を比較的自由に選ぶことができるので、賞与支給日が間近であれば、賞与の支給を受けた後に退職するケースが多いと思われるので、賞与の支給日在籍要件で問題となることは実際には少ないのではないかと考えられます。

一方、定年退職の場合や死亡退職の場合は、退職の時期が選べないので、一律に賞与の支給日在籍要件を楯に不支給とすることには、問題があるように思われます。

なぜなら定年退職の場合などは、長年にわたって勤続してきた功績等が考えられますし、死亡退職の場合なども、不幸な事態が起こったという側面があります。

したがってこの辺については、柔軟な取り扱いができるようにしておくことが、会社側に求められるのではないかと考えられます。

また、賞与の支給日在籍要件については、会社の都合で、本来定められていた支給日より遅れて支給された場合には、本来の支給日に在籍していた者への支給が必要となりますので、注意が必要です。




icon 退職日の違いによる社会保険料控除の損得
退職日のちょっとした違いは、社会保険料の控除の面でも違ってきます。

健康保険料や介護保険料、厚生年金保険料については、退職日を末日にするのと末日の前日にするのとでは1か月分違ってきます。

これは、社会保険料については、資格を取得した日の属する月から資格を喪失した日(=退職日の翌日)の属する月の前月まで月を単位として計算されることになっているからです。

【例1】3月30日に入社し、同年6月30日に退職した場合
資格喪失日が7月1日になることから、3月から6月までの4か月分の控除となります。(資格喪失日の属する月、つまり7月の前月までなので6月までということです。)

【例2】3月30日に入社し、同年6月29日に退職した場合
資格喪失日が6月30日になることから、3月から5月までの3か月分の控除となります。(資格喪失日の属する月、つまり6月の前月までなので5月までということです。)

入社月の3月は30日と31日の2日しかありませんが、月単位ですので1か月分の保険料が控除されることになります。

このことは、賞与の支給の際にも同じように考えますので、例えば上の例で、6月10日に賞与が支給された場合に、【例1】では控除しますが、【例2】では控除しないことになります。

このように見ていくと、月末退職よりも月末の前日退職の方が、得をするように思いますが、公的年金の受給面から考えるとそうともいえません。

例えば公的年金の受給資格を得るためには原則として25年の加入期間が必要ですが、中高年の方で資格期間を満たすかどうかギリギリの人や、年金を少しでも多く貰いたいと考えている人などは月末退職を選択した方がよいと考えられます。

また、6月29日に退職しても国民健康保険や国民年金の加入月日は6月30日となり、(つまり6月はたとえ1日でも1か月とカウントされ、6月分から保険料納付の対象となることから)賞与分を除けば、それほど得をしたということにはならないといえます。

ただ、退職後、再就職せず健康保険の被扶養配偶者となる場合は、健康保険料と国民年金保険料を払う必要はなくなります。

なお、雇用保険料については、原則として事業主が被保険者に支払った賃金の総額に対して(その都度)徴収されることとなっています。

ただし、保険年度の初日(=4月1日)において満64歳以上である被保険者については、保険料の控除が免除されることとなっています。





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